個人から法人へ移行する法人成りは消費税で最も効果を発揮します

個人飲食店は法人成りで消費税を節税可能

当サイトの下記の記事でご説明しているように消費税は基本的に基準期間の売上高が1,000万円を超えない限り納税する事はありません。
個人飲食店は法人成りで消費税を節税可能飲食店経営の消費税節税の前にそもそも納税が必要?

 

問題は個人飲食店で売上高が1,000万円を超えるようになってきた時です。
実はここで法人(会社)を作るとまた消費税が2年間免除されるんですね。

 

この法人を作る事がいわゆる法人成りなのです。


個人飲食店が法人成りするメリット7選

おさらいではありますが個人も法人も原則として2年間は免税事業者でいられます。
そして売上高が1,000万円を超えてから2年間後には消費税が納税になります。

 

法人成りしたからといって何になるの?
と言えばそれは消費税の課税事業者の判定がリセットされるという事です。

 

ですからいきなり法人1期目から売上高が1億あろうとも消費税は払う事はありません。
少なくとも1年間は消費税が免税となるのです。

今までは無条件に2期目までは消費税は免税でした。
しかし、近年の税制改正により開始半年間の売上高が1,000万円を超えて
給与も1,000万円を超える場合には翌期から課税事業者となります。

 

その他のメリットも7つほど挙げてみましょう。

  1. 個人よりも税率が低くなる
  2. 個人で給与所得控除が使用できる
  3. 赤字の繰越期間が伸びる
  4. 社宅として住宅を経費にできる
  5. 生命保険を経費にできる
  6. 法人なら有限責任にできる
  7. 確定申告の時期を自分で決められる

1.個人よりも税率が低くなる

個人の所得税は5%から始まり、最大45%にもなります。

 

一方で法人税はというと中小企業ならば
15%~23.2%になります。

 

つまり個人飲食店として稼げば稼ぐほど税金はかなり取られます。
個人の住民税は10%ですから、最大で半分以上が税金で持っていかれます。

 

2.個人では給与所得控除が使用できる

単に個人事業主で青色申告特別控除が10万円とか65万円控除できるように
法人にして自分に給与を払うようにすれば65万円~220万円の給与所得控除を使えます。

 

サラリーマンというのは個人事業者のように経費が使えないので
そういった部分で優遇されているのです。

 

3.赤字の繰越期間が伸びる

個人事業主の赤字の繰越は青色申告だと3年間可能です。

 

法人も同様に赤字の繰越が可能なのですが法人は10年間繰越が可能です。
これだけでもかなり大きな違いだと言えるでしょう。

 

4.社宅として住宅を経費にできる

個人事業主だと自宅家賃を経費にするにはけっこう厳しめでないと税務署に否認されます。
しかし、法人が契約して貸し付ける社宅は法的に認められています。

 

実際に計算方法まで国税庁のホームページに載っているので
ここは大きく経費にできるところになります。
国税庁タックスアンサーNo.2600 役員に社宅などを貸したとき

 

5.生命保険を経費にできる

個人だと生命保険料控除というものがあり、その額は最大で12万円です。
しかし、法人では保険内容によっては保険料全額が経費になります。

節税保険は常に国税庁・金融庁との追いかけっこになってはいます。
とはいえそれでもしばらくは保険料の半額ぐらいは経費にできるものが残るでしょう。

節税というと保険の文字をよく見かけるのはこういった利点があるからなのです。

6.法人なら有限責任にできる

個人飲食店の場合には個人事業主と個人は同一ですから、経営に失敗した時にはすべての責任を負います。
これを俗に無限責任と言います。

 

しかし、法人にした場合にはこれとは対照的に有限責任になります。有限というぐらいですから、責任の範囲が限られています。

 

より具体的に説明しますと有限責任の場合には出資した範囲内でのみ責任を負います。
これにより個人で経営するよりも負担が減る可能性はあります。

 

銀行の借入などで経営者が保証人となる事を求められますが、最近はそれも辞めるような方向になってきています。
そういった事でも法人にするメリットはありますね。

7.確定申告の時期を自分で決められる

個人飲食店の場合、1月1日~12月31日までを計算期間として翌年の2月16日~3月15日に確定申告を行います。

 

これが法人だとどうなるかと言いますと自由に決算の時期が決められます。

 

2月や3月は飲食店だと繁忙期という方も多いのではないでしょうか?
であれば決算月を他の月にズラして設立するのも良いでしょう。

 

この決算期を変更できるというのも法人にすると大きいと思いますね。

個人飲食店が法人成りするデメリット7選

法人成りして法人になる事がメリットばかりではありません。
それでは反対に法人成りする事のデメリットはなんでしょうか?

 

主に考えられるもの7つを挙げてみましょう。

  1. 法人設立の登記費用がかかる
  2. 登記するのに司法書士などの報酬がかかる
  3. 法人になると自力で確定申告は困難なため税理士報酬がかかる
  4. 社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する義務がある
  5. 赤字でも納税する必要がある
  6. 給料(役員報酬)を定額にしないといけない

それぞれを深く見ていきましょう。

 

1.法人設立の登記費用がかかる

法人を作るのには個人のように税務署に開業届を出すだけではありません。
まずは法務局に会社を登記するという作業が必要になります。

 

この法人登記は登録免許税や印紙などの諸費用6万円~15万円ほどかかります。

 

2.登記するのに司法書士などの報酬がかかる

やろうと思えば自分で会社登記をする事は可能です。

 

ただ、すべての法人のうち司法書士や行政書士といった
専門家の力を借りずに設立している法人はほとんどいません。

 

そのため司法書士にお願いするのであれば報酬が発生します。

 

3.法人になると自力で確定申告は困難なため税理士報酬がかかる

法人は法人で確定申告が必要になります。

 

法人をご自身で確定申告している人もなかなか見たことがありません。
であれば税理士への報酬も発生します。

 

税理士は選び方さえ間違えなければ経営のアドバイスもしてくれますけどね。

 

4.社会保険(健康保険・厚生年金)に加入しなければならない

個人事業主だと人数によっては社会保険の加入は任意です。

 

しかし、法人になると社会保険は加入義務が生じます。
義務なので加入は強制です。

 

そのまま加入しないでいると年金事務所から加入要請の通知が来ます。

 

5.赤字でも納税する必要がある

実は法人の場合にはもうけ(所得)にかかわらず均等割という税金が発生します。
こちらは最低でも7万円かかります。

6.給料(役員報酬)を定額にしないといけない

個人飲食店の場合には売上から原価と経費を引いたら残った利益は自由に使う事の出来るお金となります。

 

しかし、法人にした場合には自分で自由にお金を使うためには給料としてお金を払わなければいけません。
そして、その給料は役員報酬の場合には定額にしないと経費にならないという点があります。

7.営業許可は取り直しになる

この辺は抜け落ちやすいので注意が必要でしょう。

 

飲食店に限らずですが、個人から法人成りにした場合には営業許可を取り直さなければいけません。
個人から法人になったとしても許可的な話は別物になってしまうのです。

 

この辺も手続きをアウトソーシングしている場合にはさらなる費用がかかってしまうでしょう。

個人飲食店が法人成りする事のまとめ

以上が個人飲食店が消費税を節税できる「法人成り」という方法でした。

 

今までの経験から申しあげますと消費税だけにかかわらず
売上高が1,000万円を超えてくると法人にした方が有利な事は多いです。

 

特に1年目・2年目から年商が1,000万円を超えてくるようであれば
3年目に入る時には法人を作ってしまった方が良いと言えます。

 

売上の上昇とともに忙しさも雪だるま式で法人設立の暇がない
という個人飲食店の方も多いですからね。

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