自社の価値が高いうちに会社を売却するという方法もあります

法人飲食店を売却してお金を残す

ここではある種飲食店事業の究極的な方法としてではありますが、自社の飲食店を売却するという方法をご紹介します。

 

最初は飲食店を個人から始めてから法人になって、その次のステージとして完全に経営者側に回る方もいらっしゃいます。
そういった流れもこれまたその方の人生としてアリでしょう。

 

そういった飲食店にまつわる売買の場合にまず抑えておきたいのは、飲食店の売買としては2通りが考えられます。

  1. 自社の飲食店事業や自社の店舗を売却する
  2. 自身が株主である会社自体を売却してしまう

飲食店を営んでいらっしゃるオーナーさんを見ていますと、どちらのパターンも考えられます。
ただ、税金的な話で言った場合には内容はかなり異なりますのでよく覚えておいて下さい。


自社の飲食店事業や自社の店舗を売却する場合

自社の飲食店事業や自社の店舗を売却する場合

まずは自社の飲食店事業や自社の店舗を売却する場合です。

 

この方法はあくまで会社の内部で生じる取引です。
もっと詳しく言えば、法人の会計数値として計上されている店舗や事業の資産状況と実際の売却代金を比べる必要があります。

 

売却代金▲売却した事業や店舗にまつわる資産=売却損益

  
売却損益>0…売却益
売却損益<0…売却損

売却益や売却損も含めて当期の利益が計算されます。

 

法人に飲食店事業しかなくてその飲食店事業を売却してしまったのであれば、決算の際には売却するまでの飲食店事業の損益と売却損益が合わさって計算されるという事です。

 

ですから、最終的にかかる税金はそれまでの収支などを考慮しないと分からないという事です。
儲からなくて赤字で飲食店も売却損で売ってしまえば税金も出ないという事になります。

 

中小企業法人は通常、年間800万円の所得(最終的なもうけ)までは税率は15%であり、800万円を超えても23%台の税率がかかります。

 

この処理のポイントは会社(法人)自体は残るという事です。
飲食店事業を売却してしまって、まったく異なる事業を始めるという方も少なくありません。


自身が株主である会社自体を売却してしまう場合

自身が株主である会社自体を売却してしまう場合

もう一つの飲食店の売却方法としては自身の会社自体を売却してしまう方法です。
モチロン、この方法を行うには自分が株主であり、他人が株主に入っていない場合です。

複数の株主がいてもこの方法は使えますが、そのためには会社の売却の賛同を得られるなどやや複雑です。このためにもやはりスタートアップは株主が少ない状態で会社を設立するのが良いのです。

この場合には先ほどと一番異なるのは会社の会計帳簿には何も影響しないという事です。
あくまでこの場合には株主が株式を売却したという方法になります。

 

ですので会社自体を売却する場合には所得税の譲渡所得という話になります。(売却代金によっては贈与税もあり得ます。)

 

譲渡所得は累進課税ではない

個人飲食店の節税方法の部分でも触れていますが、所得税というのは通常は所得が高いほど税率が上がる累進課税制度です。
最初は5%から始まり最大では45%にもなります。これに住民税の10%を加えるとかなりの金額が税金で持っていかれてしまいますね。

 

しかし、会社の株式を売却するような譲渡所得の場合には税率は一律20%(所得税15%、住民税5%)です。
これだけの税率が異なる事を考えますと、会社を売却して一気に資金を手に入れてしまう(いわゆるEXIT)をするという方法も一つと言えますね。

 

飲食店の売却は売却される側の贈与税に注意

これはあなたが売却する株主側であれば特に気にする必要がないのですが、逆に他社の飲食店を営む法人を個人的に買い取る際には注意が必要です。

 

【時価(実際の価値)が1,000万円の会社だった場合】

  1. 800万円で株式を購入→1,000万円▲800万円=200万円は贈与扱い→贈与税9万円
  2. 300万円で株式を購入→1,000万円▲300万円=700万円は贈与扱い→贈与税88万円

というように贈与税はかなり高い(10%~55%)ので、低額で株式を譲り受けてもらう場合には注意が必要です。

感の良い方ならお気づきかもしれませんが、個人飲食店を個人が売ってもらう時にも売却の値段が時価よりも低ければ贈与の問題は起きます。

法人飲食店の売却まとめ

以上が法人飲食店を売却してお金を残す方法でした。

 

法人のオーナー兼社長が法人からお金をもらうには役員報酬しか知らないという方もいらっしゃいます。役員報酬というのは高くすればするほど所得税と住民税は上がります。

 

繰り返しにはなりますが、今回挙げた会社自体を売却する方法であれば税率が一定ですから、成長させては売却するという方法もあるという事は覚えておいていただければと思います。

 

また、別の考え方として法人は設立するのにお金がかかりますが、法人をつぶす(閉める)のにもお金がかかります。
であれば再三の取れなくなった法人を第三者に売却してしまえば自身は税金もかからずに済むとも言えますね。

 

いずれにせよ、そのような大きな判断を下すのであれば税理士なりに相談されるのが良いでしょう。
飲食店経営に強い税理士の探し方

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